去る11月2日(水)例年行われている稲門建築会近畿支部総会「交流の夕べ」に先立ち、稲門建築会近畿支部主催による講演会「東日本大震災を語る会」がとり行われました。
3月11日に発生した東日本大震災は私たちが体験した阪神淡路大震災を上回る未曾有の被害をもたらし半年以上経過した現在も、マスメディアでは悲惨さばかりが伝えられ、復興の見通しがなかなか見えてこない状況です。
しかし、現地の調査、復興に関わる方々からは復興に向けた動きが始まりつつあることも伝え聞きます。
そこで、この度は当会近畿支部長である神奈川大学重村力教授に現在関わっておられる三陸町の調査、復興計画についての報告をいただき、合わせて会員、会員外を問わず震災の調査、復興に関わっておられる方々に話題提供をいただき、ディスカッションによって理解を深めようと企画いたしました。
また、会場である「輸出繊維会館」は1960年に初代近畿支部長の村野藤吾先生による作品であります。50年を経て、未だ大きく改変することなく、非常に大事に使われている様子であり、この建物を体験することもたいへん意味深いことではないかと感じてます。
講演は、高所移転、防潮堤、避難施設、内陸部からの支援、津波教育と伝承、という5つの視点からそれぞれ震災時の状況調査に学術的な研究成果を加えて論じた、たいへん興味深いものでした。その後のディスカッションでは漁業の復興や文化財保護、原発事故対応などさまざまの関わりを持った方々により旺盛な議論がなされました。
平日の昼間にもかかわらず、36名と多くの参加者に来ていただき、予定の時間を少し超過して終了となりました。
その後、近畿支部総会「交流の夕べ」が中の島公会堂においてとりおこなわれました。
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